新しい本発表『自殺大国ニッポン』

幸福学(ウェルビーイング)

【出版のご報告】

新しい本がようやく出版できました

※現時点では電子書籍版を”無料”に設定しています


『自殺大国ニッポン』という、なかなか重々しいタイトルです

実際、重いテーマに真っ向から踏み込んだ1冊であり

僕自身が強く感じていた

「日本ではこれほどの深刻な社会問題があるのに、誰も気にも留めていないように見える」

という強い違和感と憤りから執筆を始めました

【どんな本なのか?】

本書のテーマは2つあります


まず、「日本は平和だ」と私たちはよく耳にしますが、果たしてそれは本当でしょうか?


というのも、日本では毎年2万人ほどが自殺という形で命を絶っているからです


その数字の中には、10代の子供から40代の社会人、定年を過ぎたお年寄りまでがいます

その一人ひとりには大切な人生があったはずであり、その被害の規模も悲しさも、戦争が起こっているのと変わらないほどです

そこで、1つ目のテーマは「身体的には平和になったものの、精神的には非常に危険な国である」という日本の実態と、それに対してどのような対策がされているのかを明らかにすることです


日本は、「10代後半から30代までの最多の死因は自殺」であり

「5人に1人の社会人がパワハラという名の脅迫・侮辱・暴言といった精神的加害を受けて」おり

さらには「バブル景気の頃でさえ、自殺者は今と同じく2万人ほど」いました


そんな現状について、「自殺の原因」から「日本の先駆的な対策」まで多角的に説明しました

とはいえ、最大の望みは、「日本が自殺や精神的被害のない国になること」ではありません

その先の「日本が人々を幸せにする社会になること」です


実は、本書の最大のテーマは自殺を悲観するものではなく

「そんな日本は、いかにして幸せな国になることができるのか」というものです

「幸せ」については、近年、数多くの研究がされるようになったこともあり

今では一部の研究者だけでなく、多くの企業や国家が幸福について関心を持つようになり

日本もそうした国々の一つです


過去数十年での膨大な研究により、人を幸せにしやすい国と、人を幸せにしにくい国があることが段々と分かってきました

ある著名な論文では、「アメリカや日本は短期間で何倍も経済成長したのにも関わらず、幸福度は上がらなかった」という衝撃的な研究結果が公開されました

国連による「世界幸福度報告」では、「北欧の国々は幸福度が一貫して高い」「中南米諸国は、経済力に対して幸福度が高い」といった考察がまとめられたことがあります


果たして、これらは本当なのでしょうか? 

そして、本当ならば、果たして日本は、いかにして幸せな国になることができるのでしょうか?


優れた幸福学研究の数々を基に、こうした問いへの答えを出しました。ぜひ本書のメッセージを受け取ってもらえると嬉しく思います

【追伸】

今回も、「人生で最も本気で言葉を選ぶ」をモットーにして強い熱意を込めて書きました

一方で、信憑性のある内容にするために、200を超える脚注に記載の通り

著名な学者の論文から公的機関の報告書までの膨大な文献やデータを参照しました

一切手を抜かずに書いています

おかげで、前回の本を書いた時よりもさらに成熟したスタイルになったと思います

執筆期間中、もっと言えば、うつ病を患ってきた今までの約5年間、精神的に危険な状態が繰り返し起こってきました(こちらもご参考に)

世界は不条理で、綺麗事では世界が良くならないことを痛感する日々です

「努力は必ず報われる」「良い人には良いことが起こる」という自然法則は残念ながらありません


イスラエルの戦闘では、親の目の前で幼い子供が殺された事例が多数報告されています

とあるウガンダの少年兵は、10代で反政府軍に拉致され、親や友人を目の前で撃ち殺され、そして、戦地で前線に立たされて、地雷や銃弾で絶命するのです

ムンバイでは、同情を引いて寄付をもらうための手段として子供の手足の切断が確認されています

その一方で、同じ現代の地球には、エアコンのきいた部屋で酒を飲みながらYouTubeを見つつ給料に不満を言う社会人から、何兆もの資産を持ち、自家用ジェットや複数の巨大な豪邸を持つ富豪までがいます

イスラエルで殺害された幼い子供からアメリカの大富豪まで、その人生や命の尊さは本来同じはずです

しかし、現実の世界では不平等と不条理は確かに存在するのです


それでもSNSでは、「外国に金をばらまくな!」として貧困国の支援を蔑む投稿が拡散されます

途上国支援の内容や他国の実態を知らないという「無知」が怖いのではありません

日本、もっと言えば自分が得をしなければ気が済まないだけでなく、他国や他人が得をしてほしくないという「他者の不幸を望む」という思想が非常に危険なのです


さらに「日本は平和だ」「日本は素晴らしい」という賞賛の裏には、100万人を超えるうつ病患者、毎年2万人ほどの自殺者が隠れているのです

精神的苦痛を経験した人なら分かる通り、その苦痛は目には見えずに伝わりにくいものの、身体的苦痛に劣らず苦しいものであり、時に命を奪います

よく誤解されますが、身体的被害であろうと、精神的被害であろうと、人生や命が奪われる点で、”等しく”残虐で悲惨な出来事です


ウガンダの少年兵から日本の自殺したサラリーマンまで、それらの人々は、本来なら幸せに人生を送ることができたはずです

それでも、実際には不幸に苛まれたまま生涯を終えています

僕自身、ここ5年間、うつ病を患い、言葉では到底表せない苦痛を抱えてきました

それでも色んな人から無神経な言葉を投げかけられ続けています

そして、頑張っても報われるものではなく、今回の本も、売れている様々な本に負けないくらいの自負と熱意はあっても、実際には売れないことがわかっているから、せめて一人でも手に取ってもらえるように無料に設定しています


けれど、だからこそ、現実に大きな問題があることから目を背けてはならないことを強調したいのです


既述の通り、「この世界には、人々が平等で報われる」という自然法則はありません

しかし、より重要なのは、「人々が不幸に苛まれ、他殺や自殺に追い込まれる」という自然法則もないことです

それでもそうした被害が出るのは、明らかに人間に原因があるのです


身近な人から、有識者とあがめられる人まで、あたかも問題がないかのように振る舞ってニコニコして、問題提起をすると怒りをあらわにする人たちを見てきました


僕はその姿勢には大反対です

むしろ、問題を積極的に受け入れ、世界をより良くすることに前向きになることが重要だと思っています

そのためには、機械的にシステムや制度を変えても意味がありません

どうしても、”思想の変化”が必須なのです


だから、世界を知ること、そして、本を通じてメッセージを伝えることに意義があると思っています


前回のビッグヒストリーの本では、宇宙と人間の歴史を通して、人間社会を俯瞰し、混沌を極める政治とテクノロジーの発展を前に、人間が持つべき指針を書きました


今回の本では、精神的被害が身体的被害と同じように深刻に捉えられることによって、精神的被害がなくなれば、日本は本当の意味で平和な国になれるということを書いています


たいして読まれなくても、無視されても、馬鹿にされてもかまいません

もうそれらには慣れました

その代わり、一人だけにでも、本気で書いたこの1冊からのメッセージが伝わることを楽しみにしています

加藤将馬

【経歴】中途半端な高校から、猛勉強して英語を話せるようになり、大阪大学に入学
【卒業後】ある会社の上司が原因で深刻なうつ病を患う
※YouTube自己紹介動画: https://x.gd/DD6HJ
【現在】
①「一度きりの人生を誰もが幸せに生きられる社会を目指す」を信念に発信中:書籍『自殺大国ニッポン』https://amzn.asia/d/0Hv0AuY
②「世界と人間社会についての学識」をテーマに発信中:『宇宙と人類、138億年ものがたり』https://amzn.asia/d/beq5X9W

加藤将馬をフォローする
幸福学(ウェルビーイング)
シェアする
加藤将馬をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました